2012年3月23日金曜日

タムムン滞在記「~チチカカ湖上に暮らす家族に・・・出会った~」編







キューバとは打って変わって、世界最高地にある湖、チチカカ湖。
そこに浮かぶ島を巡るツアーに参加した。



 最初に訪れたのはウロス島。ここは葦(トトラ)を重ねて造った大小40もの浮島で、そこに同じく葦で造った家を建て、ウル族が暮らしている。 葦の地面はスポンジのようにふかふかしていて、草原のような匂いがする。
小さな島だが、かまどや釣った魚をためておく水槽、フジモリ大統領の案によって立てられたソーラーエネルギーもあり、賢く設計されている。

 葦は食用にもなるし、島の往来に用いる葦舟にもなる。 一見沈みそうな見た目だが、なかなか安定した乗り心地。
こうして各島が月に1―2度観光客を招き入れて島の説明をし、民芸品を売って生活をしている。 もちろん湖畔の街に働きに出る者もいる。

 チェーンステッチのタペストリーやアクセサリー等どれも色鮮やかで見とれていたら、ウル族のおばさんに名前を尋ねられ、お互いに簡単な自己紹介を交わした。
おばさんに民芸品を勧められたが、写真を撮りに歩き回りたいと伝え、頃合を見計らってその場を離れた。
写真散策の後、「Erika! Erika!」の声に、一瞬オカンが日本から駆け付けたのかと思いきや、さっきのおばさんに完全にマークされていた。 逃げ場の無い私は葦舟のミニチュアを購入。よく見るとけっこう芸が細かくて気にいった。

 次に訪れたのはなんと紀元前から人が住んでいたとされるアマンタニ島。
黒地に蛍光色の刺繍の入ったマントを纏った村人たちは、話している最中も歩いている最中も編み物をしたり糸を紡いだりして手を休ませることはない。
そんな働き者の1人、マリアさん宅にホームステイすることになる。

 マリアさんの家にはモザイクの中庭と小さなかまど、水の出ないトイレがあった。
住民の平均身長が低いからか、寝室の入り口は140cmほどで、繰り返し頭をぶつけた。 昼食にはマリアさんのママに南瓜のスープとチーズをのせたふかし芋(と言っても日本では見たことの無い類いの芋)とハーブティーを頂いた。
自然の優しい味がして、日本人の口に良く合うものだった。
食後、水の出ないトイレにお土産を残さない為、迫り来る便意と悪戦苦闘したのは言うまでもない。

 街灯のほとんどない島に夜が訪れた。
マリアさんに民族衣装を着せてもらい、ダンスパーティーに出かける。
他のツアー参加者(全員西欧人)よりも私の方が似合っていると心の中で自負していた。 参加者全員で手を繋いで輪になって、踊ったり走ったり、標高3855mの薄い酸素では息が上がってしまった。
懐中電灯で足元を照らし、帰宅。岩のように重い4重の毛布の下で眠りに就こうとしたが、いかんせん、寒い。質素な毛布は何枚重ねたって寒さは変わらない。

 そんな中、こんなことを思い出してた。
ボリビアのウユニ塩湖ツアーに参加した際の、無口なガイドのおっちゃん。
欧米からの参加者がスペイン語を分からないのをいいことに、私にこっそりこんな話をした。
「僕はかれこれ15年この仕事をしてるけど、経験上、日本人が1番我慢強いし教養があると思うよ。それに比べてイスラエル人とフランス人は要求ばっかり。我慢が足りないんだ。ここには温水も舗装道路も無いけど、ここの人たちはこうして暮らしてるんだよ。」
 おっしゃる通りである。現地の人が水汲みに出たり、限られたエネルギーで生活をしている真横でホットシャワーのあるホテルでじゃんじゃんエネルギーを消費するなんて、そんな滑稽な旅は旅では無い。
重たい毛布もご愛嬌。消えるように眠りに就いた。
 

3 件のコメント:

kanasubi77 さんのコメント...

写真よく見たらタムしゃんだったわ!言われるまで気づかんかったよ。やるねぇぇぇ。今度踊りを教えてね。ニヤリ

tamtam さんのコメント...

踊るというより、とにかく回された記憶しかないけどねー。

kanasubi77 さんのコメント...

現地の人に手のひらの上で転がされてたのね。。グフフ。。