2012年2月9日木曜日

タムムン滞在記 「~メキシコ チアパス州の奇祭に・・・出くわした~」編

メキシコの中で一番先住民が多く、貧しい農民が多いメキシコ南東部のチアパス州を旅していた時、先住民の小さな村、シナカンタンのサンセバスチャン祭に出くわした。


 ここの村人は独自の言語を話し、ゴージャスな花の刺繍の入ったロイヤルブルーの民族衣装を着ている。
みんな背が低く、男性が155センチ・女性が145センチくらい。
シャイなのか、観光客の私を興味深気に見る割には、目が合うと目を反らされる。スペイン語がわかる人もあまりいないようだ。





 まずは教会へ入った。
床一面に松の葉が敷き詰められ、それらとお香が混じり合った不思議な臭いが充満している。
村人はそこに膝まずき、聖人像に向かって熱心に祈りを捧げている。
ここにはキリスト教(侵略したスペイン人によって改宗させられたので)と、それ以前から村人が大切にして来た土着の宗教が融合した信仰があるのだ。

 広場には露店がたくさん出ていて、揚げバナナとパインティー(温かいシロップにパイナップルが入った飲み物)を試した。 宿で知り合ったカナダ人のロバートは「これうめぇー」とパインティーをおかわりしていたけれど、パイン飴を溶かしたような甘さは私には合わなかった。

 それからだ。未だかつて見たことのない光景に出くわしたのは。
まずジャガーの気ぐるみを着た3人の男が木に登り、下に居るイタチのはく製を持った10人くらいの男たちがそのジャガーにイタチを投げたり、イタチでつっ突いたりしている。
コントなのかそれとも何か深い意味があるのか理解に苦しんだが、これが1日の間に5回くらい繰り返され、その度に空を飛び交うイタチのはく製が哀れで笑えた。

 次に音楽と爆竹の音がするの方へ行くと、これまた面白い光景が。
ねずみ花火がいーっぱい付いたものを頭上に担いだ男を筆頭に、ルチャリブレのマスクをかぶってピエロのようなつなぎを着た子どもたちが、飛び跳ねながらパレードをしている。
その中に、飛び散った火の粉を大きなハッパで消しながら必死で群れについて行く小さな子がいて、その懸命な動きが愛らしかった。
それにしてもこの子たちはタフだ。ねずみ花火が終わると少し休憩し、また音楽に合わせてパレードを繰り返している。

 あたりが暗くなってくると、爆竹とねずみ花火で作られた3メートルくらいの塔へ点火が始まった。
下から上に次から次に引火していった爆竹が鳴り、風車のようにねずみ花火が回っている。
ロバートがそれを「サイケデリックジャングルジム!」と呼んだのがおかしかった。

 夜になるとステージでメキシカンバンドが演奏を始め、村人や近隣から遊びに来ている人たちが踊り始めた。 若いカップルたちも恥ずかしそうに向かい合って体を前後に揺らしている。 
ここの村人は日本人よりも遥かに表情に乏しく、楽しいのか退屈なのか読み取ることが困難だが、踊っている彼らを見てやっと、楽しんでいるんだということがわかった。 
ロバートが185センチ以上ある体を村人の群れにうずめて踊り始めたので、私も加わった。
彼らの言葉も感情も理解はできないけれど、なんだか少しだけ、ひとつになれた気がした瞬間だった。

 あらゆるメディアによって世界の情報が簡単に手に入るようになった今日でも、ここの村人たちは昔ながらの生活を続けている。 
職を求め街へ出て、物質文化に触れた者も、必ず故郷の仲間や祭を大切にし続け、帰ってくる。
生まれ育った土地の言葉や味は体に染み付いた愛着のあるもので、彼らのよりどころなのだ。

7 件のコメント:

kanasubi77 さんのコメント...

結局何を祭ったお祭りだったんす??

tamtam さんのコメント...

イタチ突き祭り?
よぉわからん。。。

kanasubi77 さんのコメント...

突いたらだめでしょうよ。
モゥッ 気になってきた

Chika さんのコメント...

やっぱりメキシコ行きたいなぁ。。。その土地特有の祭りみれるってほんとラッキーじゃね。インドでもなんかみれたらいいねぇ~。

kanasubi77 さんのコメント...

イッテ○の各地に行く祭りおもろいもんね~。現地の人は本気じゃもんね~

tamtam さんのコメント...

> CHIKANASUBI
私も眉毛太くしてイッテQ出たいよー!

kanasubi77 さんのコメント...

私は眉毛太くして、ひげを書く!