2011年7月28日木曜日

ワーホリ体験記 in カナダ~その②~

前回のつづき

メールを送るとすぐに返事があり、いまはまだ雪が残っているので畑仕事はできないけど、パンを焼いたりその他もろもろの仕事はあるので、おいでとの返事。そこはRivertonという街でマニトバ州、州都のウィニペグから2時間弱ほど。その一家はパンを週に2、3回焼いていて、焼いたパンを翌日の朝にウィニペグのオーガニック食品を扱っているお店に届けていた。パンをつくったことはそれまでなかったので、片付けや掃除、ときには夕飯作りなどをして手伝ううちに、計量や整形などを手伝わせてもらう。

音楽が好きな一家で息子がギターを弾き、長女がバイオリン、次女がピアノを弾いて演奏会なんてこともしばしば。敬虔なクリスチャンでもあったので、毎食時にお祈り、夕飯は順番でその日のことを話してからお祈り、毎週日曜日は教会に集まり讃美歌を歌い説教を聴く。男兄弟がいなかったので特に息子(15才)と仲良くなり、サッカーやキャッチボール、グラウンドホッケーをやったり彼の友達の家の地下室でボクシングのまがいごとをしたり、これぞ北米(?)な経験が沢山できました。

次にいったのはアルバータ州のCastorという、ここもまた右を見ても左を見ても平地しかない広大な平原の中のファーム。鶏200羽、ヤギ30等、牛5頭というアニマルファーム。牛の搾乳、ヤギの出産、赤ちゃんヤギへの授乳(ヤギのお乳は2つしかないのに3頭赤ちゃんが生まれたりする。そうすると1頭は人間が育てる)。鶏は雛から育てたり(うんちがお尻に詰まって死んでしまうこともあるので、ときどきお尻をきれいにしてあげる)、あんたもやってみるかい? と手渡された出刃包丁で生きた鶏を出荷用に・・・したりと貴重な体験ができました。

一家はお父さんとお母さん、それに娘さんがいるとのことでしたが、その時娘さんはベルファストだかハリファックスだかに留学にいっていていませんでした。お父さんは作業中の事故のため下半身不随になってしまっていたので、彼の手足となり働く必要がありました。夜は一緒にビール(Kokanee)を飲みッセブンブリッジをし、テレビでCanadian Idle(古い)を観ました。

最後のファームはブリティッシュコロンビア州のCawstonという街にある果樹園。ちょうど収穫時期でプラムからはじまりスイカ、メロン、桃、リンゴのフルーツピッキングならびにトマト、ズッキーニ、なす、ピーマン、かぼちゃ、たまねぎ、にんにくなどの収穫を手伝う。週末になるとバンクーバーに行きファーマーズマーケットで販売する。自分が育てた野菜が喜んでお客さんに買われるのが嬉しい。薄汚れたTシャツと短パンで大都会バンクーバーで野菜を売っていると自分が本当のファーマーになったような錯覚すら覚える。

ここのファームには子供が3人いて、そのうち上の2人はお母さんの連れ子でした。寝る前に下手な英語で絵本を読み聞かせたり、ファーマーズマーケットの間散歩をして遊んだり、農作業中においかけっこをしたり、時には本気にケンカしたりと子育て体験もできました。

とまあ、非常に多くの得難い体験が色々できたワーホリでした。先のことはあまり考えずふらりふらりとファームを点在したわけですが、一番の経験はカナダの日常の生活に触れることができたことでした。それまで他人の家に長いこと住まわせてもらったことなどなかったのですが、おおらかで気の優しいカナダ人の家庭に接しているうちに、家庭の中の自分というものにはじめて気がつくことができました。早い話、自分は一人ではない、と。

世界は広いです。そして人は世界よりも狭い考えを持っています。考えを広げるために旅をしてみてはいかがですか?

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