2010年7月15日木曜日
夏の夜の茶会
今年も夏のお茶会にでかけました
誘ってくれるのは、祇園で茶道店を営む親しい友人です。
http://teaceremonyen.com/index.html
この不思議な茶会は
佛光寺の塔頭、長光寺で夏が一番暑くなる前のある夜に、ひっそりと行われ ます。
本堂へ向かう石畳の向こうに
夏使用の着物や浴衣を身に着けた美しい影がふすまの向こうで動く姿が見えました。
待 つお部屋では 涼しげな掛け軸 数々のお道具のお名を拝見します。
この会では昔、日本に渡ってきた珍しい西洋のお道具たちが使われます。
街中だとい うのにこの寺は静寂をまとい、よい風が吹きぬけ、夜の闇に庭の苔が光っているのです。
まずは 陰 の部屋に通されます。
このお部 屋には人工的な灯りはなく アンティークの青い傘の陶器のオイルランプが静かにたたずみます。
フランス製のキャンドル立ての水の中で浮かぶ光はゆ らゆらと妖艶な円い影を、暗い床に映しています。
涼しげな掛け軸、ポルトガルから来たのでしょうか、ギアマンガラスは貝の形の香合にしつらえをかえています。
瑞々しい菓子、フランスの青いガラスで 冷たく冷えたお薄をいただきました。
もしこのガラスを蛍光灯で透かしてみるとどんな味気のな い色になるのでしょうか?
オレンジががった自然な灯りを透かした器には動きが生まれ、趣が表れるものです。
闇という静寂の中では 慎ましい所作や音が浮き立ちます。
菓子を盛るガラス器の繊細な感触は今でも手に、記憶に、残っています。
次には 陽 のお部屋に通されます。
この部屋は明るく、立礼式(りゅうれい)でお点前がなされます。
黒光りした卓の上に 紫陽花を意識した砂糖菓子が 振舞われます。
ジャスミンの花は日本語でソケイというそうです。
遠慮がちなジャスミンがかわいらしく佇んでいました。
明るい部屋には 華やかな器を、、
朝顔のしっかりとした茶器からオランダのデルフトの古い陶磁器まで、さまざまな器で私たちのもてなしてくださいました。
茶道の世界は型の中でこそ 型を脱いでゆくものなのでしょうか。
限りなく広い世界が広がっているような気がします。
なつめの蓋をあけてみると 貝で象られた祇園祭の紋があり、茶杓も祭りを意識したものです。
感覚と思いを澄ますと 数え切れないものが 見えてくるようです
もちろん 目で 、薫りで、手触りで、耳で、舌で 心で 見えるものがあります。
暑い夏の夜 それは素敵なひとときでした
季節は全てに表情があり
それを愛しむ この国には まだ 大切な心が 残っています
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