2010年9月3日金曜日

アメリカンメモリー

俄造りの地面に足をおき
地面の上を潜在意識下で立っていると
思いこむのは徒労であり
コンクリートの間から可憐に咲いている野花の香りから
幾度も哀愁を帯びたハーモニーが耳に入るのに気がつくと
まるで昆虫のように脱皮を試み
放心状態になる自分が水溜りに映った。

積雲の空もやがては晴れ、竜舌蘭が微笑むと
立派なオアシスにようやく辿り着つのだが
瞳孔は収拾がつかず
口の中はスライム状で空気上に映るドラゴンの舞踊に夢中なった。

掌を伸ばして手に入らない物などは無かった。
値段が付いている物には札が必要なだけで
決して難儀なものではなく
なんの興味深さもないのであった。

ベッドの下には泣きべそっている金髪少女が浮いた状態で横になっており
私はその子を即座に慰めるように頭部を擦ってあげるが
涙が少しは和らぐにも関わらず止まる様子はなかった。
会話は全くないのだが、同情し合っていた。

気がつくとモーツアルトの曲が物凄い音量で流れており
彼の世界に一瞬にして導かれるのであった。


つづく

2 件のコメント:

waruida さんのコメント...

よくわかりませんがすごい詩ですね。

>泣きべそっている金髪少女が浮いた状態で横になっており

怖いんですけど。。。。

reina さんのコメント...

日本語すごい!
川端の雪の片鱗を、ここに感じるわ